マダム野武士の南仏生活

南仏からつれづれなるままに。

日本食は太らない。 On ne grossit pas si on prend le plat japonais.

近年フランスでは日本食がブームです。寿司の他にもラーメン・餃子・焼き鳥・天ぷらなど色々な日本食がパリだけでなくフランスのあちこちの日本食レストランで食べられるようになってきまっした。

また食事に加えて和菓子も大変人気になってきています。大福、どら焼き、抹茶のお菓子などなど...「mochi」という言葉もだいぶ浸透してきました。

そんな中、よく耳にするのが日本食はどれもヘルシーだから太らないし身体に良いという神話。たしかに日本食はフランス料理に比べて使用する油の量が少なかったり、そもそも食材も脂っこいものは少ないように思います。ただ、フランス人の中には塩気が足りないといって、できあがった日本食に大量に醤油や塩をかけたり、また大福を2個も3個も食後に食べる人もいます。果たしてこれをヘルシーと言えるのか。そんな疑問が頭をよぎりながらも、フォアグラよりは健康的かと自分に言い聞かせて事なきを得ています。

 

人の迷惑を考えない生き方 Les gens qui ne réfléchissent jamais aux ennuis qu'ils peuvent causer.

フランスでは人に迷惑をかけるのレベルが日本の比にならないくらいひどい時があります。というよりかはそもそも「人に迷惑をかけない」という教育自体がおそらくなされていないのではないかと疑うことが多々見受けられらます。

 

レベル1:トラムで向かい合わせの座席に座った時に、反対側の座席の上に汚い靴のまま脚を投げ出して、まるで家にいるかのように寛ぐ人々。マスクもせずに手で口も覆わずにこちらに向かって咳やくしゃみをしてくる人。ものすごい体臭をまとって満員電車に乗ってくる人。自分は清潔だとでも思いこんでいるのでしょうか。

 

レベル2:ゴミ箱のある横でゴミを道端にポイ捨て。犬の糞を道に放置。飲みかけのテイクアウトのコーヒーカップを別の店の前に陳列。大型ごみの回収日でなくとも必要でなくなればトイレであろうが洗面台であろうがベッドであろうがとりあえず道に放棄。ゴミは勝手に消滅するとでも思っているのでしょうか。

 

レベル3:お前のものは俺の物。お前の敷地は俺のもの。自転車を盗む。携帯を盗む。建設中の資材を盗む。チップ入れの箱ごと盗む。私有地に無許可で車を停める。私有地に勝手に大量のごみを捨てに来る。あなたのやっていることは紛れもなく犯罪です。

 

以上はあくまでも数例であって、実際にはもっとたくさんの迷惑行為が散見されます。「和を以て貴しとなす」という考え方はこの国にはないようです。

 

 

 

ちょっと待って! Ne vous impatientez pas!

飲食店で働いていると日々いろいろなお客さんに出会いますが、最近総じて思うことはフランス人はせっかちな人が多いということです。具体的にはお支払いの際のクレジットカード決済。こちらがカード決済の機械に会計金額を打ち込む前から機械にカードをかざす人の多いこと多いこと。相手が犬だったら思わず「待て」と言いたくなるスピード、すごい勢いでカードを機械に押し付けてきます。

 

そしてたちが悪いのは、そういう人に限って非接触型のカードの使用額が限度を超えていて決済が一発でできないことが多いということ。結局カードを機械に挿入してもらって、暗証番号を打ってもらわないと支払いが完了しないので、通常よりもお会計に時間がかかってしまいます。

 

急がば回れですよ、せっかちな皆さん。

 

 

 

休みの使い方 Comment je peux optimiser des jours de repos?

先週はフランスを東へ西へ仕事の都合で複数の都市に赴き全力で駆け抜けた1週間でした。その結果、案の定エネルギーが枯渇し、日曜日の夜には気力がゼロに。昨日・今日は家にひきこもって好きなことだけをすると決め、Kindleでダウンロードしていた数冊を一気に読み、解きたいだけ数独を解き、時間を忘れてお花を生け、散らかしまくっていた家の中を掃除すると心までスッキリし、少しずつ体の中にエネルギーが溜まっていくのを感じられました。どこか遠くに行って非日常を忘れる休みも良いけど、インドアで思いっきり何かに没入する休みも最高だなと感じた2日間でした。病気以外で二日も家から出ないのは社会人になってからもしかしたら初めてだったかもしれない。主人よ、自身が働いている横で家事もせず、全力で休みを楽しませてもらって、どうもありがとう。おかげで最高にリフレッシュできたわ!

仕事が休みだと昔から癖でついついあれやこれやと予定を入れてしまって、結局楽しいけどなんだか余計に疲れてしまうことが多かったのですが、最近気づいたことは、自分にとって本当に心身休まるという状態は自分の内面の声に心を傾けてちゃんと聞くことだったのかもということ。今までは意識が外に外に飛びがちで、気がつけばエンストなんてことが何度もありましたが、これからはこまめにプチリフレッシュ休憩を挟んで、自分のエネルギー量は自分で調整できるマダムになりたいなと思ったので、この投稿を10年後の私に自戒を込めて書き記しておきます。

誰とだって口論を厭わない人々 On voit les gens se disputer fréquemment partout.

2ヵ月以上、間のあいた更新となってしまいました。ご無沙汰しております。皆さまお変わりないでしょうか。

 

さて先日、フランスの方々はやっぱり口論を厭わないんだなと思った場面に遭遇したのでここに残しておきます。

それは平日の朝、トラムに乗っていた時のことでした。突然、大声で怒鳴り散らしながらトラムに乗ってきた一人の女性がいました。(この国では公共の場で大声で独り言を話す人は珍しくありません。)年齢は50~60代といったところでしょうか。始めのうちは独り言かなと思って、乗客全員が静かに聞いていたのですが、どうやら怒りが収まらない様子で、独り言がどんどんエスカレートしていき、暴走が止まりません。

怒りの矛先は若者全般だったようで、どこに行っても若者はスマートフォンをのぞき込んでいる、このような変わり果てた社会はもう終わりだというようなことをひたすらに大声で主張するので、居心地が悪く、私は思わず正面に立っていた学生さんの方を見ました。すると、向こうもアイコンタクトを返してくれて、少し安心感を覚えた瞬間、私の近くで黙って座っていた70~80代のご年配の女性がふいに腰を上げたのです。

そして、そのおばあさんは暴言を吐く女性に対して、「若者はあなたに害を加えていない。あなたの話に気分が悪くなった。」とスパっと言い放ってくださったのです。この勇気あるおばあさんに私は呆気にとられ、あまりのカッコよさに心の中で拍手を送りました。さすがフランス、相手が誰であっても、赤の他人であっても正論を突き付ける、黙って聞き過ごさない、この態度に本当に感動しました。

そんなおばあさんに対しても懲りずに反論する例の女性。「私が子供の時も、結婚した時も携帯なんて無かった。携帯電話にしがみついた若者しかいない、この社会は腐っている。お先真っ暗。」とおばあさんに言い返したのです。

呆れ返ったおばあさんは下車のタイミングが近づく中、「社会が変化するのは当たり前。私だってこの変化に適応してきた。適応しようとしないあなたに問題がある。」と言い放ち、最後にその場にいた他の乗客たちに「Bonne journée à tous!(みんな、良い一日をね。)」と言って杖をつきながらゆっくりと下車されました。

例の女性はその後もぶつぶつと独り言を言い続けていましたが、おばあさんが私たちの気持ちを代弁してくださったおかげで、その大声も気にならなくなりました。

日本ではあまり赤の他人同士が口論する現場に出くわしたことが無かったのですが、フランスに来て、このように公共の場で色々な人が色々な口論をしている場を目撃することが多くなり、やっぱりこの国では主張することが必要不可決なんだということを思い知らされます。

 

犬と飼い主 Le chien et son maître

久々の更新となりました。2月はもともと28日しかないにも関わらず、たくさんの予定を詰め込んでしまったおかげで、体調が優れぬままバタバタとしておりました。気がつけば2023年も既に2か月が終わってしまったので、3月より心機一転、ぼちぼちこちらのブログを更新していければと思います。

 

さて、今回は犬と飼い主について色々と思うことがあり、話のネタにさせて頂きました。フランスは日本に比べて圧倒的にペットに対して寛容な国だと思います。例えば、トラムにケージなしで犬を同行させることができたり、飲食店を含む大抵のお店にも連れて入ることができます。また街角には、犬が自由に飲めるように犬用の水桶を通り沿いに用意しているお店まであります。

そして、躾の行き届いた犬が多く、リードをつけずに散歩させている飼い主をよく見かけます。ハイキングなどをしていてもリードのない犬が颯爽と横を駆け抜けていくこともよくあることです。無駄吠えする犬も少なく、名前を呼べば遠くからでもすぐに駆け付ける、そんな優秀な犬が多いように感じます。

その一方で、飼い主の行動には目を疑うような場面もしばしば見受けられます。一番多くて一番許せないことが、犬のウンチを拾わないことです。そのために、街中は常にいろいろなサイズのウンチが落ちているので、踏まないように気をつけなければなりません。フランス人の主人曰く、フランス人は犬のウンチは土に還ると思っているから拾わない人もいるとのことですが、コンクリートの上に残されたウンチは土に還るはずがありません。ましてや、旧市街の石畳の上に放置されたウンチは非常に厄介で誰かに踏まれると石畳の間に入り込んで、ずっと残ったままですし、雨が降れば臭いが蒸し返されて最悪です。

フランスの迷信に、「犬のウンチを左足で踏めば幸運が訪れる。」という言い伝えがありますが、言い返すといかに犬のウンチを踏む確率が高い社会なのかということになるのではないでしょうか。ちなみに右足で踏んだからといって不幸にはならないそうですが、犬のウンチを踏んだ時点で少なくとも嫌な気持ちにはなりますよね。

 

飼い主もフランスの優秀な犬たちのように、もう少し賢くなってくれたらいいのになと誰かに踏まれたウンチを見ながら思うのでした。

 

#フランス社会 #フランスあるある #海外生活

言語と性格 La langue change la personalité.

硬派なタイトルをつけたは良いものの、私は特段、英語もフランス語もペラペラというわけではないのですが(母語である日本語も時々怪しいことはご愛嬌、ということで...)、それでも日本語・英語・フランス語を話している時のそれぞれの自分の性格が違うように感じます。

 

具体的には、日本語を話している時は、非論理的・だらだら・物腰柔らかめな性格。英語を話している時は論理的・緩急の差が激しい・キツメの性格。フランス語を話している時は非論理的・抑揚のあるだらだら・キツメの性格。大まかにいうとこんな感じの性格分布になっています。

 

なので、例えば日本語でまず物事を考えて、それを英語やフランス語に訳す時は、見返した時にわりとマイルドな文章になっている一方で、英語やフランス語(特に英語)ファーストで物事を考えて、それを日本語に変換すると、ハッキリ・バッサリ・スパッとした内容になっているなと感じます。

 

これは言葉の持つ性質によるところが多いのかと思うのですが、その言葉が話される言語圏内での日頃のやりとりを見ていて、自然と脳が適応してることの現れなのかなとも思うのです。

 

性格を変えたいなと思う人にはもしかすると外国語の習得が役に立つこともあるかもしれません。(私個人の感覚的なところによる、全くもって不確かな情報なので、真に受け止めないようご留意ください...)芯のある優しい女性になるには何語を勉強したら好いでしょうか...?